企業として健康管理を取り入れるときに大事なのは、トップマネジメントのコミットメントです。企業の価値をこうしようと決めることですので当然のことです。そして、もう一つの簡単な手順は責任者を任命することです。
企業のトップが任命する責任者は専任である必要はありませんし、多くの健康経営を進めている企業では兼任です。しかしながら、その役割の範囲は企業によって様々だと言え、その役割にも、企業の目指す価値観の方向性が見えることがあります。
最も代表的な健康管理の責任者はCWO(Chief Wellness Officer)ということになります。CEOやCFOといった役職と同じような呼び方とすれば、こうなります。こういった役割をマネジメント層に任命することは道理に適っていることであることは、企業の株式市場における価値や労働力市場での価値に直結することからも明白です。
そして、健康管理と密接に関連しているのが労働環境です。すなわち、CWOは(Chief Work-style Officer)にもなりえるのです。日本語でいうところの「働き方改革」を同時に進めるのは、大変効率的な視点になります。実際にCWOに働き方改革を任せている企業もあり、うまく機能しているようです。
健康管理を経営に活かすには、パーツ、パーツで順番に取り組むのもいいですし、このように、健康管理と働き方改革を連動させて一気に動かすやり方もあるのです。そういった動かし方も含めて企業の実態や、どこを動かすのがカギとなるのかによって、調整していけばよいと言えます。
いずれにしても健康管理を経営に活かすということは経営判断を伴う投資案件です。責任者の承認がなければ進まないため、経営トップもしくはCWOが指揮を執るのが最初のステップになります。