運動の目的を意識していますか?

健康のために運動をしているという方は多くいると思いますが、なんのために運動をしているかを意識している方は意外に少ないようです。すなわち、健康のためといいつつ、不健康な運動をしている方が多いということです。

運動の目的を大きく3つに分けると

一口に、運動といっても様々なものがありますが、目的を大きく3つに分けると以下のようになります。

筋力アップ
心肺機能の強化
代謝促進=脂肪燃焼

さて、いかがでしょう?

私はさらに、4つ目の目的も絡めて考えています。4つ目の目的とは「精神的なリフレッシュのため」です。運動をすることでメンタルに良い影響を与えることができることは周知の事実です。

さて、私も経験があるのですが、健康のためにスポーツジムに通っていたのに、いつの間にか(例えば、大胸筋の)筋力アップにのめり込んでしまう人が結構います。でも、スポーツ選手でもない限りは、健康のために筋力アップが必要なのは体幹や下半身の筋肉であり、大胸筋を鍛えることには、むしろデメリットがあります。つまり筋肉が増強するということは血管を圧迫することになり、心臓の負担になるのです。

これを知らずに、ついつい上半身の筋肉をつけすぎてしまっている人たちを見かけませんか?これは目的を意識していないか、あるいは、運動をすればなんでも健康になると考えていたりするか、もしくは「大胸筋を鍛えたらカッコイイ」という別の意識が芽生えて優先してしまった結果なのかもしれません。

筋力アップに大事なこと

筋力アップのために重要なのは「続けてやりすぎない」ことだということは、今ではよく知られています。

筋力アップとは、筋肉を一旦、壊して、それが修復するときに大きくなることだからです。つまり、筋力アップに大事なのは、筋肉を壊すこと、休息すること、そして、回復に必要な栄養素を補給することです。

筋肉の修復には休息が2~3日必要ですので、運動が週2回でよいというのはなんとなく続けるのにもいいですね。大胸筋のような大きな筋肉は見た目にもわかりやすいので、クセになるのもわかる気がします。

でも、注意しないといけないこともあります。それは、さきほどあったように心臓の負担になるので、先に心肺機能を高めないといけないということになります。

心肺機能を高めるには?

心肺機能とは、心臓が血液を全身に送り出す心臓機能と、肺が酸素を効率よく取り込む肺機能を指します。これらを高めることによって、持久力アップなどの様々な効果があります。

これは、筋力アップでも同じなのですが、心肺機能を高めるには、心肺を限界まで追い込むことが必要になります。限界まで追い込むとは、終わった瞬間に倒れ込むような運動です。つまり、ウォーキングのような緩い運動では、いくら続けても心肺機能はあまり鍛えられないのです。もちろん、ウォーキングでもすればそれなりに心肺機能は高められますので心肺機能を維持するためには有効です。

効果的に心肺機能を高めるためには、呼吸も心臓もハーハーバクバクするようなことが必要なのでウォーキングよりもランニングや水泳の方が有効です。ただし、日頃から運動習慣のない人が心肺機能を高めようとすると危険を伴うことがあるので、注意が必要です。

体脂肪を減らすには

ウォーキングのような有酸素運動をするのがよいというのは良く知られています。かつては、長時間やらないと意味がないとされていましたが、最近では、短時間だとしても脂肪燃焼効果があるとされています。

しかしながら、大事なのは「脂肪を減らすには食事の方が数倍も大事である」ことです。基本的に脂肪が多くなってしまった人は食生活が乱れていることが原因であることがほとんどです。運動不足という前に、食生活を改善することが先です。なぜなら、通常の運動で脂肪を減らしても、通常の食事で脂肪が増える方がはるかに多いからです。すなわち、体脂肪は運動しても減らないことになるのです。

池の水を抜くためには、まず、池に流れ込む川の水を止めなければいけません。

効果的で続けやすいシステムを!

これらを総合すると、例えば

(月)筋力アップ(火)心肺機能(水)心肺機能(木)筋力アップ(金)心肺機能(土)心肺機能(日)心肺機能

といったパターンを作るのがいいかもしれません。時間帯は、断然、朝をお勧めします。普段の準備に必要な時間から逆算して早起きして運動をするのです。そうすることで、習慣化することがしやすくなります。

早起きが苦手だという人は別の時間帯にパターンを作ってもよいかもしれません。大事なのは「自分に完璧を求めないこと」です。完璧を目標にして崩れてしまう人が非常に多くいます。「完璧にできなかったから辞めてしまう」こんな経験をお持ちの方はいませんか?そういった方は、予め失敗パターンを予測しておいてください。そして、その失敗パターンに陥ったときにどうするか、決めておいてください。例えば「早起きできなかったときは、昼休みに5分だけ運動をする」といったように決めておいて、それを実行します。

自分の能力を高く見積もってそれで自信を喪失したり、やる気を失うことはもったいないことです。過去の自分を正確に評価して「自分はたぶん週に4日しか早起きできないから、それ以外は夜、お風呂に入る前に10分だけ運動する」みたいな「できないパターン」を決めておくことです。できないパターンを決めてないことで辞めてしまうことが多いことを覚えておくと、他にもいろんなことに応用できます。